本日は七五三の着物、いわゆる四つ身の子供着物のしみ抜きについてご紹介いたします。
七五三が近くなり、着物をご購入、レンタル等ありますが、
今回は当店ご利用のお客様に多いケースをご紹介させていただきます。
それは、ご両親が30年ほど前に着用されたものをお子様にもというケースでございます。
このようなケースはとても心がこもっており、記念になる事と思います。
しかし、やはり30年経過しておりますと、シミ、黄変がとても多いのが現状です。
30年前にお手入れをされ収納、その年月の間もたとう紙(文庫)が古くなれば交換、虫干しなど、
されていればよいのですが、ほとんどの方は収納されたままになっております。
そこで、絹が湿気ってしまいになり、黄変があらわれてまいります。
この、状態のお着物のお手入れです。
当店は薬品類は使用しない染み抜きを行います。
特に、お子様がご着用になられるのでしたら、ご安心かと思われます。
職人の父に付き添い、父の行いますお手入れを見て学んだことを、
ご報告させていただきます。あくまでも、修行中の私は見ているだけでございます。
お客様の大切なお着物は長年のプロにしかお手入れできません。
着物全体のシミの状態、生地の状態、すべてをチェックしていきます。
茶色・黄色いわゆる黄変だらけです。
特に目立ちます部分から、手作業で染み抜きを行います。
この様なシミは完璧には取れないのが現状です。
生地を傷めないためにも、
そして、無理をして取ろうとすると長い年月が経過している為、逆にはげてしまう可能性もありえます。
このギリギリの境目のラインまで、職人父の手により、出来るだけ薄く、目立たぬように、
シミを取り除いていきます。
シミというものは厄介なもので、全部消してしまうと逆に今度はシミを抜いたところが、
目立ってしまうという場合もございます。
当店では、只、そこのシミを抜くという事ではなく、薬剤を使わず、綺麗に、生地に沿って
生地に逆らわないようにお客様の着物を輝かせ、もう一度風合いが出るように、
お手入れをしてまいります。
今回は、完璧に取り除けませんでしたが、出来る限り薄く目立たぬよう、
させて頂きました。
黄変が濃いような、当店ではこの様な、染み抜きを行わせていただいております。
★★★ 着物保存ワンポイントアドバイス ★★★
絹の着物は生きております。
タンスの中で、息をしておりますので、息抜きが大切です。
虫干しをいたしましょう。
今この時期こそ、虫干しに最適な気候と思われます。
タンスから文庫(たとう紙)ごと出し、文庫を開いておきましょう。
日陰で空気を入れなおすと良いです。
少し手間がかかりますが、ハンガーに着物を掛け日陰に半日程干しておくとなお良いです。
また、たとう紙が古くなり、黄色く色が変わっている場合は、着物を注意深く見てみましょう。
シミが出ているかもしれません。カビが生えかけているかもしれません。
着物自体が綺麗な場合は、古くなっているたとう紙だけでも代えておくと、
着物を長く、美しく保存出来ます。
皆さん、ぜひ、さわやかな日に行ってみてください。
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